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From: たなか
<fatanaka@hotmail.com>
Subject: 量子力学入門3
Date: 2003/01/22 13:22:50
さて、いま、1次元の1粒子の運動を考えます。
つまり、古典的な運動の場合、運動を記述する物理量は
運動量pと位置xで、この二つを観測することによって、
この粒子の運動のすべて〔未来,過去〕を知る事が出来ます。
この場合の量子バージョンを考えます。量子化!
これから、実験でしか確かめられない、どっかから導き出せない
原理を天下りとしてまとめながら進めていきます。
復習もかねて、
天下り1 ------------------------------------------------
任意の観測量の観測に対して、条件をそろえれば,
いつも同じ値を得られる状態が存在する。
このことを数学的に記述するツールとして、
演算子O〔行列〕を任意の物理量観測に対応するもの
として採用し,状態はベクトル|o>を用いて記述する。
その関係は固有値関係で、状態ベクトル|o>は
行列Oの固有ベクトルで,その固有値oがその状態の
観測値を表すとする:
O|o>=o|o>
-----------------------------------------------------------
今の場合、物理を決める観測量が運動量pと位置xだけですので、
|p>とか|x>が考えられます。
しかし量子力学ではXとPを同時に測定する事が出来ません。
いえ、同時に値を持つことが出来ないのです。PとXは
両立できる観測量ではないのです。|p、x>はだめ!
まず、同じ条件の状態なのに観測量の値が異なる場合があることから、
天下り2 ---------------------------------------------------
一般の状態は〔両立できる〕観測量の固有状態の重ね合わせで表すことが出来る。
観測する事により、その観測量の実際に観測された値を持つ
固有状態に移る。どの固有状態に移るかは記述できないが,
どの状態に移るかの確率〔密度〕については記述する事が出来る。
一般の任意の状態|Φ>は固有状態|x>〔又は|p>〕を用いて
|Φ>=∫dxC(x)|x>
と書ける。ここでC(x)重みを表し,|C(x)|^2が粒子が位置xで
発見される確率密度を表わす。
とする。
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ふつう、ある状態でXを測定してxという値が出た場合、原理的に
すぐに、それはもう無限に短い時間の後、またXを測定すると
その値はやはりx、それは何回繰り返してもxです。Pについても同様で、
天下り1とはそういう事を言っています。
ところが、ある状態でXを測定した後,すぐにPを測定した場合と、
逆にPを測定してXを測定した場合は異なる値をとる。
何回もすると、それぞれの値が異なる分布をする。つまり
XP|Φ>≠PX|Φ>である事は間違えなさそうだ…
そこで
とりあえず天下り3 -----------------------------------------------
両立出来ない観測量、
位置の演算子Xと運動量演算子Pは交換関係を持つ。
[X、P]=ih
をみたすとする。(hはディラックhと思ってね。)
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上の話から、交換関係に持っていくのはかなり強引ですが、
実は〔無限小〕平行移動演算子の生成演算子KとXが
PK−PK=[P,K]=i
をみたすことがわかります。そもそも平行移動と運動量の
関係はかなり深い。正準変換を思い出すとなおのこと。
演算子の交換関係と状態の無限小変換には
深い関係がありますので次回はここをつっこみたいです。
問題
無限小平行演算子T(dx)=1-iKdx
T(dx)|x>=|x+dx>
を用いて上の関係を示せ。Kはエルミート
また、何で無限小のとき1−iKdxと書けるか
これは次回まとめたいと思います。
(天下りを対応原理ということで、
ポアッソンブラケットとの対応原理とするのもよいですが、
すべての量子観測量に古典との対応原理が成り立つとは限らないから・・
無理やり古典量を作る手も有るかもしれませんが、作るには結局
交換関係がいるので・・)
ここであらかじめ使う数学ツールのルールをまとめとくと,
天下り0----------------------------------------------------------
後にのべる状態は一般に複素ベクトルの性質をもち
ケット(ベクトル)|>と書くことにする。
ケットを縦ベクトルとみなす時、
複素共役をとった横ベクトルに対応
するブラ〔ベクトル〕を考える。
要素は、観測値にあわせて、
連続、または離散的な無限または有限な要素をもつ。
そのベクトルのノルムは離散的要素を持つ場合は1、
連続の場合はデルタ関数とするように規格化する。
<i|j>=1δij
<x|y>=δ(x−y)
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これは今後,必要に応じて詳しくしましょう。
次回は平行移動演算子の復習から天下り3を決定しましょう。