| 任意のε>0に対し、変数Iのどんなxをとっても、 n≧Nならば|fn(x)-f(x)|<ε となるような番号Nがεにだけ関係し |
| f(a,b)が点(a,b)の近傍で定義されたxおよびyについて 偏微分可能な関数であれば近傍内の点(a+h,b+k)に対し、 f(a+h,b+k)-f(a,b)=hfx(a+θh,b+k)+kfy(a+b+θk) なるθ(0<θ<1)が存在する。 |
| 点(a,b)のある近傍内でfx(x,y)、fy(x,y)がともに有解であれば |f(a+h,b+k)-f(a,b)|≦M(|h|+|k|) (M:定数) なる条件をみたす(この条件をリプシッツ条件という)。 |
以下は関数解析に関することです。
| det(A)=Ψ=(λ-a)(λ-d)-bc=0 λ2-(a+d)λ+(ad-bc)=0 の2次方程式よりλの値を求める。 λ=λ1、λ2が解として与えられ それに対する固有ベクトルをそれぞれf1、f2とする。 A・f1=λ1・f1 A・f2= λ2・f2 任意のベクトルxは、x=α・f1+β・f2と書ける。 このときAによって Ax= α・λ1・f1+β・λ2・f2となる。 |
| (i1)(x、x)≧0;等号はx=0のときのみ (i2)(αx+βy、z)=α(x,z)+β(y,z) (α、β∈C) (i3)(y,x)=(x,y)* |
シュワルツの不等式
|(x,y)|≦||x||・||y||
ノルムの性質
| (@)||x||≧0;等号はx=0のときのみ (A)||αx||=|α|・||x|| (B) ||x+y||≦||x||+||y|| |
| (@)ρ(x,y)≧0;等号はx=yの時のみ (A)ρ(x,y)=ρ(y,x) (B)ρ(x,z)≦ρ(x,y)+ρ(y,z) |
| (@)P2=P I=P1+P2+・・・+Ps Pi・Pj=0 ;(i≠j) (A)P*=P |
| (Ax,y)=(x、A*y) (x,y∈V)を満たすA*のこと。 (@)(αA+βB)*=α*A*+β*B* (A)(AB)*=B*A* (B)A**=A (C)Aが一対一ならA*も一対一で、 (A^-1)*=(A*)^-1 |
★★★有界作用素
コーシー列
系列{Xn}が||Xm-Xn||→0になる数列のこと。
★★★ヒルベルト空間
| (T)内積 (U)完備性 (V)可分性 ヒルベルト空間の中の加算無限個の元{u1、u2、・・・・、uN、・・・} が存在して、Hの中の任意の元xは、この中から適当に取った部分列 {un1、un2、・・・・、unk、・・・}によってlim unk=xと表される。 (省略されることもある) |
x、y∈l2の内積を
(x,y)=Σξkηk*(x=(ξ1,ξ2,・・・),y=(η1,η2,・・・))(0≦K≦∞)
と定めるとl2はプレ・ヒルベルト空間であり、さらに完備性からヒルベルト空間である。
ΩをRnの開集合とする。x,y∈L2(Ω)の内積を
(x,y)=∫Ωx(t)y(t)*dt
と定めるとL2(Ω)はプレ・ヒルベルト空間であり,さらに完備性からヒルベルト空間である。
以下は微分方程式に関するものです
微分方程式
変数xを独立変数とする関数y=f(x)に対して、独立変数xと関数yおよびその導関数
y'=y(1)=(d/dx)y,y''=y(2)=(d2/dx2)y,・・・y(n)=(dn/dxn)x
を含む関係式
F=(x,y,y(1),・・・,y(n))=0
を微分方程式という。
微分方程式に含まれる導関数のうちでその階数の最も高いものがnであるとき、
この微分方程式をn階の微分方程式という。
n階の微分方程式
F=(x,y,y(1),・・・,y(n))=0
に対してn個の任意定数C
この微分方程式の一般解という。
さらにこの任意定数に具体的に値を代入して得られる解を特殊解という。
また、時には一般解の中に任意定数をどのようにとっても書き表すことのできないような
解が存在することもある。このような解を特異解という。
微分方程式の形が、未知関数yおよびその導関数
y(1),・・・,y(n)
について1次式であるとき微分方程式は線形であるという。
| y'=f(x)g(y) ただしここでf(x)は変数xのみの関数、g(y)は変数yのみの関数である。 このような形の微分方程式を変数分離形の微分方程式という。 解法 一般に、微分方程式を解くために(1):代数方程式を解く、 |
| y'=f(y/x) このような微分方程式は同次形といわれる。 同次系の微分方程式は次のようにして変数分離形に帰着される。 解法 |
| y'=f{(ax+by+α)/(cx+dy+β)} を考える。ここでa,b,c,d,α,βは定数でad-bc≠0とする。 解法 |
| 同次形をある意味で一般化した微分方程式 y'=xn-1f(y/xn) も変数分離形に直せる。 解法 |
| Iを実軸上にある区間とし, p(x)およびq(x)は区間Iで定義された実数値連続関数とする。 このとき次の形の微分方程式を考える。 y'+p(x)y=q(x)・・・(1) この形の微分方程式を1階線形微分方程式という。 解法 このように斉次線形微分方程式(2)の解を用いて,線形微分方程式(1)の解を求める方法は定数変化法と呼ばれる方法で,高階の線形微分方程式の解法にも用いられる。 |
1階の微分方程式
y'=f(x,y)
は形式的に
P(x,y)dx+Q(x,y)dy=0・・・(1)
なる形に一般化される。この微分方程式において
∂f(x,y)/∂x=P(x,y) ∂F(x,y)/∂y=Q(x,y)・・・(2)
となる関数F(x,y)があったとすると,(1)はF(x,y)の全微分dF(x,y)を用いて
dF(x,y)=0…(3)
と書ける。したがって
F(x,y)=C(C:任意定数)
なる平面状の曲線は(1)の階となる。
このように,微分方程式(1)が等式(2)をみたすC2級の関数f(x,y)を用いて
(3)のように書けるとき,微分方程式(1)を完全微分方程式という。このとき
∂P(x,y)/∂y=∂2/∂y∂xF(x,y)=∂2/∂x∂yF(x,y)=∂/∂xQ(x,y)
が成り立つ。よって微分方程式(1)が完全微分方程式であるための必要条件として
∂/∂yP(x,y)=∂/∂Q(x,y)
が成り立つ。また,十分条件も成り立つ。これをまとめて,次の定理を得る。
| P(x,y),Q(x,y)はC1級であるとする。このとき微分方程式 P(x,y)dx+Q(x,y)dy=0 が完全微分方程式であるための必要十分条件は ∂/∂yP(x,y)=∂/∂Q(x,y) が成り立つことである。 |
微分方程式
P(x,y)dx+Q(x,y)dy=0
は完全ではないが適当に関数M(x,y)を選んで,微分方程式
M(x,y)P(x,y)dx+M(x,y)Q(xy)dy=0
を考えるとこれが完全微分方程式となることがある。このとき,関数M(x,y)を積分因子という。
この微分方程式が完全微分方程式であるとすると上の定理より
∂/∂y{M(x,y)P(x,y)}=∂/∂x{M(x,y)Q(x,y)}
が成り立つ。
したがって,独立変数(x,y)を省略して書くと,関数M(x,y)が積分であるためにはM(x,y)は偏微分方程式
P∂M/∂y-Q∂M/∂x=M(∂Q/∂x-∂P/∂y)・・・(※)
をみたすことが必要十分条件である。
この微分方程式を解くことは一般には容易ではない。
しかしいくつかの特殊な場合についてはM(x,y)を求めることが可能であることが知られている。
以下,∂/∂xP=Px,∂/∂y=Py,・・・のように書くとするとする。
| (i)(Py-Qx)/Qが変数xのみの場合 このとき積分因子Mをxの関数としてもとめることができる。 実際,Mがxのみの関数のときはMy=0だから(※)は ∂/∂M=M(Py-Qx)/Q となるが,これは変数分離形の常微分方程式だから M(x)=e∫(Py-Qx)/Qdx となりこれが積分因子となる。 (ii)(Py-Qx)/Pが変数yのみの場合 ∂/∂M=M(Qx-Py)/P したがって M(y)=e∫(Qx-Py)/Pdx が積分因子となる。 (iii)P(x,y),Q(x,y)が同じ次数の同次関数である場合。 p(λx,λy)=λnP(x,y),Q(λx,λy)=λnQ(x,y) となる場合。このとき M(x,y)=1/{xP(x,y)+yQ(x,y)} が積分因子となる。 |
この他にも積分因子を求める方法はある。
(i)〜(iii)の公式も積分因子を求める1つの方法であって,
この公式を用いなくてもより簡単な積分因子が求まることも多い。
| y'+a(x)y+b(x)yn=0 を考える。このような形の微分方程式をベルヌーイ型の微分方程式という。 (u'/1-n)yn+a(x)uyn+b(x)yn=0 すなわち u'+(1-n)a(x)u=-(1-n)b(x) となる。これはu(x)について1階線形微分方程式である。 |
| y'=a(x)+b(x)y+c(c)y2
・・・(※) を考える。このような形の微分方程式をリッカチ型微分方程式という。 この形の微分方程式に対して1つの解y=y1(x)がわかったとしよう。 u'+y'1=a(x)+b(x)u+b(x)y1+c(x)y12+2c(x)uy1+c(x)u2 となる。y1が(※)の解であることを用いると u'=(b(x)+2c(x)y1)u+c(x)u2 となるが,これはn=2の場合のベルヌーイ型微分方程式である。したがって,v=1/uとおいてvについての微分方程式を作ると v'=-(b(x)+2c(x)y1)v-c(x) なる1階線形常微分方程式を得る。したがって与えられた微分方程式(※)の一般解を得ることができる。 |
| y=xy'+f(y')・・・(※) を考える。このような形の微分方程式をクレロー型微分方程式という。 y''(x+f'(y'))=0 が得られる。この式から次の2つの場合が現れる。 (i)y''=0の場合。このときy'=C(定数)となるからこれを(※)に代入して (ii)y''≠0の場合。このときy'は定数とはならない。すなわちyはxの1次式ではない。条件 x+f'(y')=0 および(※)をy'=pをパラメータとして、連立して得られる曲線を考える。これは 「 x=-f'(p) と書ける。この曲線も解となるが、この場合、一般にyはxの1次関数ではなく、したがって(i)で得られた一般解の任意定数をどのようにとってもこの曲線を表すことはできない。 |
ここでは定数を係数に持つ2階線形上微分方程式について考える。
すなわち、a,bを実定数とするとき考える微分方程式は
y''+ay'+by=f(x)
である。ここでf(x)は与えられた連続関数である。
この問題を解くためにはf(x)=0とおいた斉次方程式
y''+ay'+by=0・・・(※)
について考察することが大切である。
微分方程式(※)の解について次の定理が成り立つ。
| (i)y1,y2が斉次方程式(※)の解であればy1+y2も解となる。 (ii)yが(※)の解ならば任意の定数cに対してcyも解となる。 |
斉次方程式(※)を考察するために2次方程式
λ2+aλ+b=0・・・(★)
が大切である。この2次方程式を(※)または(★)の特性方程式という。
この2次方程式はy=eλxが(※)の解であるとするとこれを(※)に代入してみれば
λのみたすべき関係式として得られるものである。
これに対し次の定理が成り立つ。
| (i)(★)が相異なる2実解α、βを持つならば、すなわち、a2-4b>0ならば (※)の一般解は y=C1eαx+C2eβx で与えられる。 (ii)(★)が重解αを持つならば、すなわち、a2-4b=0ならば y=(C1+C2x)eαx で与えられる。 (iii)(★)が複素数解α+iβ(β≠0)を持つならば、すなわち、a2-4b<0ならば y=eαx(C1cosβx+C2sinβx) で与えられる。 |
この定理において(i)の場合:eαx,eβx(ii)の場合eαx,xeαx
(iii)の場合eαxcosβx,eαxsinβxを微分方程式(※)の基本解という。
| y''+ay'+by=f(x)の一般解はこの微分方程式の1つの解(特殊解)と (※)の一般解y1の和で与えられる。 |
一般に,与えられたn個の関数y1,・・・ynに対して,次のn次行列式
W[y1,・・・,yn]をy1,・・・,ynのロンスキアンという。すなわち
| W[y1,・・・,yn]= | | | y1 | y2 | ・・・ | yn | | |
| | | y1(1) | y2(1) | ・・・ | yn(1) | | | |
| | | ・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ | | | |
| | | y1(n-1) | y2(n-1) | ・・・ | yn(n-1) | | |
ここで述べる事柄はn階の微分方程式についても成り立つものが含まれているが,
ここでは2階の線形微分方程式のみを考察する。
したがって,考えるロンスキアンも2つの関数y1,y2に対するもの、すなわち
| W[y1,y2]= | | | y1 | y2 | | | =y1y2'-y1'y2 |
| | | y1' | y2' | | |
の形のものだけである。
さて、2階線形微分方程式
y''+a(x)y'+b(x)y=f(x)・・・(☆)
を考える。定係数の場合と同様に、この方程式に対して斉次方程式
y''+a(x)y'+b(x)y=0・・・(★)
を考える。ここで関数a(x),b(x),f(x)は実数上の1つの区間I上で定義された連続関数とする。
a(x)=a,b(x)=b(定数)のときはIは(-∞、∞)またはf(x)が連続な区間と考える。このとき
V={y;y''+a(x)y'+b(x)y=0}
とおくとVはベクトル空間となる。
また、次の定理が成り立つ。
| 斉次方程式(★)の一般解y0と(☆)の特殊解y1に対して y=y0+y1は微分方程式(☆)の一般解となる。 |
しかし、変数係数の場合は定係数の場合のように求積法で求めることは一般にはできない。
次に微分方程式(★)の解について考えてみる。関数y1およびy2が(★)の解であるとする。
このときy1とy2のロンスキアンw[y1,y2]を考えると
| W[y1,y2]'= | | | y1 | y2 | |' | = | |y1' | y2' | | | + | | | y1 | y2 | | | |
| | | y1' | y2' | | | |y1' | y2' | | | | | y1'' | y2'' | | | ||||
| = | | | y1 | y2 | | | = | | | y1 |
y2 |
| |
| | | y1'' | y2'' | | | | | -a(x)y1'-b(x)y1 |
-a(x)y2'-b(x)y2 |
| |
| =-a(x) | | | y1 | y2 | | |
| | | y1' | y2' | | |
ゆえに
W[y1,y2]'=-a(x)W[y1,y2]
が成り立つ。したがってW[y1,y2]は
w[y1,y2]=Ce-∫a(x)dx(C:任意定数)
となる。この等式の1つの意味は、もしC≠0ならばW[y1,y2]は決して0にはならないし、
C=0ならばW[y1,y2]≡0となることである。
すなわち、全然0にならないか恒等的に0かのどちらかが成り立つことを意味する。
| y1,y2を(★)の解とすると、W[y1,y2](x)≡0またはW[y1,y2](x)≠0となる。 |
W[y1,y2]≡0の場合を考える。このとき、xをとめるごとに
| | | y1 | | |
| | | y1' | | |
| | | y2 | | |
| | | y2' | | |
は一次従属だから
「 c1(x)y1=c2(x)y2
L c1(x)y1'=c2(x)y2'
となる関数c1(x),c2(x)を(c1(x),c2(x))≠(0,0)となるように取れる。
このときc1(x),c2(x)は定数関数に取れる。
したがってW[y1,y2]≡0の場合はc1y1=c2y2(c1,c2は定数で(c1、c2)不等号(0,0))
の形になるから関数y1とy2は一次従属ということになる。
定係数の2階線形微分方程式
y''+ay'+by=0
に対してはロンスキアンが0とはならない2つの解が存在する。
このこと、すなわちロンスキアンが決して0とはならない2つの解が存在することは
変数係数の方程式に対しても成り立つ。
| a(x),b(x)は区間I上の連続関数とする。x0をIの1つの点とするとき、微分方程式 y''+a(x)y'+b(x)y=0 の解で次の条件をみたす解y1(x),y2(x)が存在する。 y1(x0)=1,y1'(x0)=0;y2(x0)=0,y2'(x0)=1 |
ここで与えられた解y1(x),y2(x)に対して
W[y1,y2](x0)=1≠0
となる。ロンスキアンが0にならないような解y1,y2があったとすると、
この2つの解は明らかに一次独立であるが、この解を用いて次の2つの事柄が示せる。
(i)ベクトル空間V={y;y''+a(x)y'+b(x)y=0}の次元は2である。
(ii)微分方程式(☆)の一般解を求めることができる。
一般にロンスキアンが0にならない解y1,y2を基本解または解の基本形という。
これまでの考察をまとめると次の公式が得られる。
| y1,y2は斉次微分方程式 y''+a(x)y'+b(x)=0 の解でW[y1,y2]≠0となるものとする。このとき2階線形微分方程式 y''+a(x)y'+b(x)y=f(x) の一般解は y=y1∫{-y2f(x)/W[y1,y2]}dx+y2∫{y1f(x)/W[y1,y2]}dx で与えられる。 特に定係数の方程式すなわちa(x)=a,b(x)=bの場合は以下の定理を得る。 (i)特性方程式λ2+aλ+b=0が相異なる2実解α、βをもつとき、 (ii)特性方程式λ2+aλ+b=0が重解αをもつとき、 (iii)特性方程式λ2+aλ+b=0が複素数解α±iβをもつとき、 |
| (1)y'=f(x,y)の解でy(a)=bをみたすものがあるか(解の存在) (2)あるとすればただ1つか(一意性) この2つについて考察する |
| ρ、γは正の数とし、 __ D={(x,y);a≦x≦a+γ,|y-b|≦γ} とする。関数f(x,y)は __ Dで連続とし、|f(x,y)|の __ Dでの最大値をMとする。このとき、初期値問題 y'=f(x,y) y(a)=b に対して区間I=[a,a+γ']上でC1級の解y=y(x)が存在する。ただしここでγ'=min{γ、ρ/M}である。 |
f(x,y)が連続であれば解があるのだから、解の存在については、
大体は解があると思ってよいというのがこの定理の主張するところである。
次の定理は関数f(x,y)に条件を加えることによって、
解の存在と一意性が同時に得られることを示すものである。
| ρ、γは正の数とし、 __ D={(x,y);|x-a|≦γ,|y-b|≦ρ} とする。f(x,y)は |
| y(x)=b+∫f(t,y(t))dt
(a≦t≦x)…(1) の解は次のように求める(ピカールの逐次近似法)。 まず、y0=b(=y(a))とし y1=b+∫f(t,y0(t))dt(=b+∫f(t,b)dt) (a≦t≦x) によって連続関数y1(x)を定義する。次に y2(x)=b+∫f(t,y1(t))dt として連続関数y2(x)を定義する。以下同様にして yn(x)=b+∫f(t,yn-1(t))dt (n=1,2,3,…) (a≦t≦x)…(※) して連続関数yn(x)を定義する。このとき
の2つが成り立つ。よって limyn(x)=y(x) (n→∞) (I=[a-γ',a+γ']で一様) だから(※)でn→∞として y(x)=b+lim∫f(t,yn(t))dt (x∈I) (n→∞) (a≦t≦x) y(x)=b+∫f(t,y(t))dt (a≦t≦x) すなわち、極限関数y(x)が(1)の解、したがってまた初期値問題の解となる。 |
「y1'=f1(x,y1,・・・,yn)
| y2'=f1(x,y1,・・・,yn)
| ・・・
L yn'=fn(x,y1,・・・,yn)
y1(a)=b1,y2(a)=b2,・・・,yn(a)=bn(初期条件)
である。記号を簡略化するために次の記号を用いる。
n項実数ベクトル
| | | y1 | | |
| | | … | | |
| | | y2 | | |
をyとし、yの長さ||y||を
||y||=√(y12+…+yn2)
と定める。
| | | b1 | | | |
| b= | | | … | | |
| | | bn | | |
tb=(b1,…,bn)とし、ベクトル値関数f(x,y)を
| | | f1(x,y1,…,yn) | | | |
| f(x,y)= | | | … | | |
| | | fn(x,y1,…,yn) | | |
とおく。このとき与えられた初期値問題は
「 y'=f(x,y)
L y(a)=b
と書くことができる。ここで
| | | y1' | | | |
| y'= | | | … | | |
| | | yn' | | |
である。
このとき区間[a-γ',a+γ']上で定義されたC1級の解y=y(x)がただ1つ存在する。
次にn階の正規系微分方程式に対する初期値問題
「y(n)=f(X,y,y1,…,y(n)
Ly(a)=b1,y(1)(a)=b2,…,y(n-1)(a)=bn
について考察する。
このとき[a-γ',a+γ']上で定義されたCn級の解y=y(x)がただ1つ存在する。
これまでの考察において、初期値問題に対する
解の存在と解の一意性について述べた。
これらの定理は解の存在と一意性を保証するという
意味では強力な定理であるが、
いずれの定理においても解の定義される区間は
初期値を与える点x=aに近いところのみである。
すなわち、解の存在と一意性は局所的にしか保証されていない。
解の存在および一意性が成り立つ区間がどのようになるかを
考えることは大切な問題である。
この問題に一般的な解決を与えることは困難であるが、
線形微分方程式の初期値問題に対しては
次の定理が成り立つことが示される。
| 正規系1階連立微分方程式 y'=A(x)y+f(x) に対する初期値問題を考える。ただしここで、
としaij(x),fi(x)(i,j=1,…,n)は区間I上の連続関数とする。
に対して区間I全体で定義された解
がただ1つ存在する。 |
ピカールの逐次近似法を2次の線形連立微分方程式に対する初期値問題
「 y1'=ay1+by2
L y2'=cy1+dy2
y1(0)=c1,y2(0)=c2
に対して考えてみよう。これに対する積分方程式は
| y(x)= | | | c1 | | | +∫Ay(t)dt (0≦t≦x) |
| | | c2 | | |
| y(x)= | | | y1(x) | | |
| | | y2(x) | | |
| A= | | | a | b | | |
| | | c | d | | |
である。逐次近似法の手順によって
| y0(x)= | | | c1 | | |
| | | c2 | | |
| yn(x)= | | | c1 | | | +∫Ayn-1(t)dt (0≦t≦x) (n=1,2,…) |
| | | c2 | | |
によってベクトル置換数列{yn(x)}(0≦n≦∞)を定義する。このとき順番にyn(x)を求めてみよう。
| y1(x)= | | | c1 | | | +A∫dt | | | c1 | | | (0≦t≦x) |
| | | c2 | | | | | c2 | | |
だから
| y1(x)={E+xA} | | | c1 | | |
| | | c2 | | |
となる。ただしここで
| E= | | | 1 | 0 | | |
| | | 0 | 1 | | |
(単位行列)である。この計算においても以下の計算においても、
行列Aが定数行列であることから、Aに乗ずる演算は積分と可換、
すなわち積分記号の前に出すことができることに注意する。定義式より
| y2(x)={E+xA+((xA)2)/2} | | | c1 | | |
| | | c2 | | |
同様に
| y3(x)={E+xA+((xA)2/2!+((xA)3)/3!} | | | c1 | | |
| | | c2 | | |
以下、同様の計算を繰り返して
| yn(x)={E+xA+((xA)2/2!+((xA)3)/3!+…+((xA)2)/n!+…} | | | c1 | | |
| | | c2 | | |
を得る。ここでn→∞として、初期値問題の解
| y=limyn={E+xA+((xA)2/2!+((xA)3)/3!+…+((xA)2)/n!+…} | | | c1 | | | (n→∞) |
| | | c2 | | |
を得る。このベクトル値関数列{yn}(0≦n≦∞)の収束は
ピカールの逐次近似法による一般法によってわかっているが、
直接に確かめることもできる。
ここで現れた行列の無限級数を
exA=E+xA+((xA)2/2!+((xA)3)/3!+…+((xA)2)/n!+…
とかく。これはテイラー展開公式
ex=Σ(xk/k!)=1+x+…+(1/k!)xk+…
の右辺の級数のxの代わりに行列xAを代入した形と
なっていることからこの記号を用いる。
| 一般にn次行列Aに対し行列の指数eA=expAを eA=Σ(Ak/k!)=E+A+(A2/2!)+(A3/3!)+…(0<k<∞) と定義する。ただしここでEはn次の単位行列とし、
ただし、ここで行列関数の微分は各成分ごとの微分を表す。すなわち、
である。 |
この5を用いて次の定理を得る。
| 初期値問題 「 y'=Ay の解はy=exAcで与えられる。 |
★★★線形連立微分方程式の解軌道
線形連立微分方程式に対する初期値問題
「 y'1=y2
L y'2=y1
「 y1(0)=c1
Ly2(0)=c2
を考えてみよう。
このとき、区間
| |y1| | = | | | cosx | sinx | | | |c1| |
| |y2| | | | -sinx | cosx | | | |c2| |
すなわち
「 y1(x)=c1cosx+c2sinx
Ly2(x)=-c1sinx+c2cosx
で与えられる。
この解をy1y2平面内で考えると
y1(x)2+y2(x)2=c12+c22(定数)
となるから解(y1(x),y2(x))はxをとめるごとに半径
√(c12+c22)の円周上にある。
さらに詳しくいうと、この解(y1(x),y2(x))はx=0のとき点(c1,c2)上にあって、
xが正の向きに大きくなるときxに対応する点(y1(x),y2(x))は
半径√(c12+c22)の円周上を時計回りに動く。
このとき、この円周を解軌道または解曲線という。
このように、連立微分方程式の解(y1(x),y2(x))をy1y2平面状の曲線(または曲線群)と考えて、
独立変数xが動くときに解がどのようになるかを考察しよう。
このときy1y2平面を相空間といい、このような問題を考察することを相空間解析という。
相空間解析を行うときは、独立変数を時間を表す関数または単にパラメータと考えるほうが
自然な感じがすることは上の例でもわかる。
今後独立変数はxの代わりに時間を表す変数tを用いる。
また、2次元の相空間のみを扱うこととし、y1y2平面の代わりにxy平面を用いる。
a,b,c,dを実定数とするとき、線形連立微分方程式
「 x'=ax+by
L y'=cx+dy
を考えよう。線形微分方程式は原点(x,y)=(0,0)を平衡点にもつが、
この微分方程式の原点のまわりでの解軌道について考えてみよう。
実は係数行列
|a b|
| | =Aの固有値および固有ベクトルを調べることで完全に決まってしまう。
|c d|
(1)
「 x'=λ1・x
L y'=λ2・y
(2)(β≠0)
「 x'=αx+βy
L y'=-β+αy
(3)
「 x'=λx+y
L y'=λy
(1)(2)(3)はそれぞれ
(1):Aが実行列によって対角化可能である場合
(2):Aが複素数の固有値α±βi(β≠0)をもつ場合
(3)Aが対角化できない場合
である。このとき(1)(2)(3)の一般解はそれぞれ
(1)
| |x| | = | | | eλ1 | 0 | | | |c1| |
| |y| | | | 0 | eλ1t | | | |c2| |
(2)
| |x| | = eαt | | | cosβt | sinβt | | | |c1| |
| |y| | | | -sinβt | cosβt | | | |c2| |
(3)
| |x| | = | | | 1 | t | | | |c1| |
| |y| | | | 0 | 1 | | | |c2| |
で与えられる。
点x=aの近傍で、べき級数によって
f(x)=Σak(x-a)k(0≦k≦∞)
と表されるとき関数y=f(x)は点x=aで解析的であるという。
関数f(x)が|x-a|<Rに対して
f(x)=Σak(x-a)k(0≦k≦∞)
であるならば|b-a|<Rとなるbに対しy=f(x)はx=bで解析的であることが示される。
すなわち、ある正定数R'に対し、|x-b|<R'で
f(x)=Σbk(x-b)k(0≦k≦∞)
と表される。y=f(x)が区間Iの各点で解析的であるときy=f(x)はIで解析的であるという。
f(x)がx=aで解析的であるとき、すなわち
f(x)=Σak(x-a)k(0≦k≦∞)(|x-a|<R)
となるとき、f(x)は同じ範囲すなわち|x-a|<Rで無限回微分可能であってかつ項別微分可能で
「 f'(x)=Σkakxk-1=Σ(k+1)ak+1xk(前のΣは1≦k≦∞、後ろのΣは0≦k≦∞)
L f''(x)=Σk(k-1)akxk-2=Σ(k+2)(k+1)ak+2xk(前のΣは2≦k≦∞、後ろのΣは0≦k≦∞)
(|x-a|<R)が成り立つ。
一般的には、xの解析関数を係数に持つ正規形の線形微分方程式はべき級数解すなわち解析関数解を求めることができる。
2階の微分方程式の場合を定理の形で述べると次のようになる。
関数p(x),q(x),r(x),f(x)は点x=aで解析的でp(a)≠0とする。このとき微分方程式
p(x)y''+q(x)y'+r(x)y=f(x)
は、2つの一次独立なべき級数解(x=aで解析的な解)をもつ。
偏微分方程式に対する初期値問題
これ以降、物理学、工学などのさまざまな分野で現れる基本的な偏微分方程式を扱う。
ここでは数学的には放物型方程式とよばれている方程式の典型的な場合、
いわゆる熱方程式に対する初期値問題について考える。
(-∞,∞)上の関数f(x)が与えられたとする。このとき、
「 ∂/∂t{u(t,x)}= ∂2/∂2x{u(t,x)} (t>0、x∈(-∞,∞))
L u(0,x)=f(x) (x∈(-∞,∞))
をみたす関数u(t,x)を求めたい。
この方程式は、物理的には、無限にのびた糸上で時刻t=0における熱分布f(x)が与えられたときの
時刻tにおける熱分布u(t,x)を求める問題として解釈される。
解法
次のようのして解の1つを求めることができる。まず関数
K(t,x)=e-x^2/4t/√(4πt)
を考える。これに対して
∂/∂t{K(t,x)}={-1/[2√(4π)t3/2]+x2/[4√(4π)t5/2]}e-x^2/4t
∂/∂x{K(t,x)}=-x/{2√(4π)t3/2}e-x^2/4t
∴∂2/∂2x{K(t,x)}={-1/[2√(4π)t3/2]+x2/[4√(4π)t5/2]}e-x^2/4t
となる。すなわち
∂/∂t{K(t,x)}=∂2/∂2x{K(t,x)}
が成り立つ。さらに
∫e-x^2dx=√π (-∞≦x≦∞)
だから
∫K(t,x)dx=1/√(4πt)∫e-x^2/4tdx=1 (-∞≦x≦∞)
となる。
これらのことからたとえばf(x)が(-∞,∞)上の有界連続関数であるときは,以下のようにして解を与えることができる。
すなわち,与えられたf(x)に対して
u(t,x)=∫K(t,x-y)f(y)dy (-∞≦x≦∞)
とおく。このとき,u(t,x)は解となる。
すなわち
∂/∂t{u(t,x)}=∂2/∂2x{u(t,x)} (t>0,x∈(-∞,∞))
limu(t,x)=f(x) (t→0+) (x∈(-∞,∞))
が成り立つ。
これを定理の形にまとめる。
| 熱方程式に対する初期値問題 「 ∂/∂t{u(t,x)}= ∂2/∂2x{u(t,x)} (t>0、x∈(-∞,∞)) を考える。ここで,f(x)は(-∞,∞)上の有界連続関数とする。このとき,この初期値問題に対して u(t,x)=1/√(4πt)∫e-(x-y)^2/4tf(y)dy (-∞≦y≦∞) は1つの解である。 |
次に空間次元が高い場合の放物型方程式に対する初期値問題について考えてみる。
まず,空間次元が2の場合,熱方程式に対する初期値問題は
「 ∂/∂t{u(t,x,y)}=冰(t,x,y)
L u(0,x,y)=f(x,y)
となる。ただしここで
冰(t,x.y)=∂2/∂2x{u(t,x,y)}+∂2/∂2y{u(t,x,y)}
である。この場合も,空間次元1の場合と同様に
K(t,xy)=1/[(√4πt)2]e-(x^2+y^2)/4t
とおく。K(t,x,y)の偏微分は
∂/∂t{K(t,x,y)}=(-1/4πt2+(x2+y2)/16πt3)e-(x^2+y^2)/4t
∂/∂x{K(t,x,y)}=(-x/8πt2)e-(x^2+y^2)/4t
∂2/∂2x{K(t,x,y)}=(-1/8πt2+x2/16πt3)e-(x^2+y^2)/4t
∂2/∂2y{K(t,x,y)}=(-1/8πt2+y2/16πt3)e-(x^2+y^2)/4t
となる。したがって
∂/∂t{K(t,x,y)}=僵(t,x,y)
が成り立つ。またt>0のとき
∫∫K(t,x,y)dxdy=1 (-∞≦x,y≦∞)
が成り立つ。これらのことから
u(t,x,y)∫∫K(t,x-σ,y-τ)f(σ,τ)dσdτ= (-∞≦σ,τ≦∞)
とおくと,空間次元が1の場合とほぼ同様にしてf(x,y)が適当な条件をみたせばu(t,x,y)は解となる。
このf(x,y)に対する条件とはたとえば
(i)|f(x,y)|≦C (有界)
(ii)|f(x.y)|≦C(1+x2+y2)N (x2+y2→∞のときf(x,y)は高々多項式の増大度)
などである。
以下,一般のn次元空間の場合の熱方程式に対する初期値問題に対して解の公式を与える。
x=(x1,x2,…xn)∈Rnに対し
|x|=(x12+…xn2)1/2
とおく。また,Rn上の関数u(x)=(x1,…xn)に対して
冰(x)=∂2/∂x12{u(x)}+…+∂2/∂xn2{u(x)}
と書く。凾ヘn次元のラプラシアンと呼ばれている。n次元の熱方程式に対する初期値問題は
「 ∂/∂t{u(t,x)}=冰(t,x)
L u(0,x)=f(x)
で与えられる。ここでf(x)=f(x1,…,xn)はあらかじめ与えられたRn上の関数である。
これに対し
K(t,x)={1/√(4πt)n}e-|x|^2/4t
とおく。このときK(t,x)は次式をみたす。
∂/∂t{K(t,x)}=僵(t,x)…(1)
∫…∫K(t,x)dx=1 (-∞≦x≦∞)…(2)
ただしここでdx=dx1…dxnとおく。さらに,与えられたf(x)に対して
u(t,x)=∫…∫K(t,x-y)f(y)dy (-∞≦x≦∞)
とおく。ここでもx=(x1…,xn),y=(y1,…,yn)だから
「 x-y=(x1-y1,…,xn-yn)
L dy=dy1…dyn
である。このとき(1)(2)を考慮すれば適当な条件をみたすf(x)に対してu(t,x)は初期値問題の解となる。
双曲型方程式に対する初期値問題
cを正の定数という。(-∞,∞)上の関数f(x),g(x)が与えられているとき,次をみたす関数u(t,x)を求める問題を考える。
「 ∂
/∂t
/ ∂t2{u(t,x)}=c2∂
/∂t
/ ∂x2{u(t,x)} (t>0,-∞<x<∞)
| u(0,x)=f(x)
L ut(0,x)=g(x)
u(t,x)およびu(t,x)のtについての偏導関数ut(t,x)のt=0での値をあらかじめ与えた下の2式を初期条件という。
この問題は数学的にはいわゆる双曲型微分方程式に対する初期値問題(コーシー問題)の典型的なものである。
物理的には「無限にのびた糸が微小運動するときの変位を時刻tと位置xの関数と考えu(t,x)とおく,。
これに対し,初期(t=0)での変位f(x)と位置xでの速度g(x)が与えられたときのu(t,x)を決定せよ」ということになる。
解法
変数変換
「 ζ=x-ct
L η=x+ct
すなわち
「 x=1/2(ζ+η)
L t=1/2c(η-ζ)
を考える。連鎖定理を用いると
∂u/∂x=(∂u/∂ζ)(∂ζ/∂x)+(∂u/∂η)(∂η/∂x)=(∂ζ/∂η)
すなわち
ux=uζ+uη
となる。これからさらに
uxx=uζζ+2uζη+uηη
を得る。同様に
∂u/∂t=(∂u/∂ζ)(∂ζ/∂t)+(∂u/∂η)(∂η/∂t)=-c(∂ζ/∂η)+c(∂u/∂η)
すなわち
ut=-cuζ+cuη
となるから,くり返して
ut=-c2(uζζ-2uζη+uηη)
を得る。これをもとの微分方程式に代入して整理すると,方程式は
uζη≡0
の形に変形される。したがって,微分方程式の解uは
u=u1(ζ)+u2(η)
の形である。ここでζ=x-ct,η=x+ctを代入して
u(t,x)=u1(x-ct)+u2(x+ct)
を得る。ここで,初期条件からu1(ζ)とu2(η)を求めることを考えよう。
まず条件u(0,x)=f(x)から
f(x)=u1(x)+u2(x)…(★)
を得る。次に条件ut(0,x)=g(x)から
g(x)=-cu1'(x)+cu2'(x)…(※)
を得る。(※)の両辺を積分して
∫g(y)dy=c{-u1(x)+u2(x)}-c{-u1(0)+u2(0)} (0<y<x)
となるから
-u1(x)+u2(x)=-u1(0)+u2(0)+1/c∫g(y)dy (0<y<x)…(☆)
(★)と(☆)からu1(x),u2(x)を求めると
u1(x)=1/2{f(x)+u1(0)-u2(0)}-1/2c∫g(y)dy (0<y<x)
u2=1/2{f(x)-u1(0)+u2(0)}+1/2c∫g(y)dy (0<y<x)
が得られる。したがって初期値問題の解u(t,x)は
u(t,x)=u1(x-ct)+u2(x+ct)
=1/2{f(x-ct)+f(x-ct)}-1/2c∫g(y)dy+1/2c∫g(y)dy
(前の積分範囲が0<y<x-ct,後の積分範囲が0<y<x+ct)
となる。結局解u(t,x)は
u(t,x)=1/2{f(x-ct)+f(x+ct)}+1/2c∫g(y)dy (x-ct<y<x+ct)…(!)
である。ここでもともとの偏微分方程式は2階の偏微分方程式だから(!)で与えられるu(t,x)が
真の意味で解であるためにはu(t,x)は2階編微分可能でなければならない。
このためには少なくとも与えられた関数f(x),g(x)がそれぞれ少なくともC2級,C1級でなければならない。